社会的排斥

「社会的排斥」についてのメモ。社会的排斥とは…
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社会的排斥 †

貧困と社会的排斥の違い †

  • 貧困概念
    • 機会の平等を前提において、結果として生じた経済的不平等(⇒貧困)に対して、所得再分配などの手当てを行うことによって、法的平等を保とうとする。
      救済を受ける権利は、福祉国家の形成、成長とともに社会的シチズンシップの確立によって保証されてきた。
  • 社会的排斥(社会的排除)概念
    • 社会的排斥概念は、貧困概念が一方において結果としての不平等を問題にしながら、他方で機会の平等を確保できないでいることに対する批判意識から、市民が政治的、経済的領域に参加(participation)し、能力を十分に発揮する(capability)ことを求める。
  1. 貧困が経済的不平等を結果としてしか問題にしないのに対して、社会的排斥はその前提(或いはその原因)にまで遡って問題にしようとする。
  2. 貧困概念では、救済を受けとるだけという意味で受動的市民(passive citizen)しか問題にされていないのに対して、社会的排斥観念は参加とケイパビリティを含んだが能動的市民(active citizen)が問題にされている。
  3. この点から福祉国家に対する批判を試みた人物にアマルティア・センがいる。センの議論は、社会的排斥概念の延長の上で行われていると考えられる。
  4. 上記 ↓△里海箸蓮⊆匆馘排斥観念が貧困横念に対して上位概念であることを意味する。このことから、社会的排斥概念は福祉国家に対して受容と批判という二つの対応をとることになる。
  5. 一見するとニューライトの主張と社会的排斥枕念の主張は、受動的市民に対する批判という点で、共通しているように見える。しかし、ニューライトは福祉給付への市民の依存を取り上げることで福祉国家を批判しているのに対し、社会的排斥観念は貧困に陥った市民が十分にその能力を発揮する機会を奪われていることを問題にしているという点で、両者は対極的な立場にいる。

 「持続可能な発展」観念が社会的領域に関わる問題として「正義」を問題にしているという場合、貧困枕念から社会的排斥概念への転換という時代文脈に注意しておく必要がある。






2007-03-10 (土) 21:42:16 (3665d)