終身雇用

「終身雇用」についてのメモ。終身雇用とは…
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終身雇用制度/生涯雇用

終身雇用 †

  • 企業などが、正規に採用した労働者を、特別な場合以外は解雇しないで定年まで雇用すること。
  • 年功序列型賃金などと併せて、日本的雇用関係の特徴とされる。


終身雇用 †

  • 合理的・機能主義的理解
    • 終身雇用と年功賃金制は主として企業内の訓練と従業経験を経て得られる企業特有の知識や技術を持つ者、すなわち特殊人的資本、の価値が企業にとって大きいとき、特殊人的資本を持つ者に特別の昇進機会を与え賃金にプレミウムを上乗せすることで、彼らの企業外への移動が起こることを防ぐシステムと理解される。年功賃金制には退職金同様賃金支払い先送りの意味があり、同一企業への就業年数が短い者には想定される限界生産力より少なく、就業年数が長い者には想定される限界生産力より多く賃金を設定することによって、雇用者に対して長期に従業するインセンティブを与えようとする制度と理解される。一方でそういったシステムは、高齢雇用者の人件費負担の増大を生み、比較的早期の定年退職制の導入を必要とした。
  • 歴史的・文化的理解
    • 村上泰亮・公文俊平・佐藤誠三郎らの『文明としてのイエ社会』論に典型的に見られるが、終身雇用を封建武士社会で発達した「家」制度を近代に持ち込み契約と家族の中間である「血縁契約」とみる。忠誠心といった武家の価値が現代社会の会社や企業にも重要であるという考えだが、特定の雇用制度がいつ、なぜ発達し、また衰退していくのかという社会変動を説明できない点で、合理的説明に比べ劣る点は否めない。





 多様な理論的解釈が可能な終身雇用制度であるが、以下の2つの異なった側面を明確に区別する必要がある。

  • 要素1
    • 雇用主側の政策としての終身雇用−常雇者(常勤の雇用者)を経営理由により解雇や一時帰休しないという制度
  • 要素2
    • 常雇者の雇用主へのコミットメントとしての終身雇用−一旦常雇者になれば定年退職まで自発的離職・転職をしない傾向。

 終身雇用の研究は要素1に着目するか要素2に着目するかで、相互に補完的ではあるが、大きく異なる。要素1に着目する研究では調査単位は企業であり、終身雇用はより広い企業の雇用調整の一面として把握される。当然説明変数も企業の特性となる。一方、要素2に着目する研究では調査単位は雇用経験のある人となる。説明変数は、雇用者から得られる勤め先の情報を例外とすると、個人の職やその他の属性となる。また要素2の観点からは常雇の初職からでなく雇用のリマッチングを経た一定年齢(例えば30歳前後)から長期コミットメントが始まるという修正した終身雇用概念も可能となる。当然リマッチング期間の研究を併せて行うが、これは労働市場におけるマクロな雇用調整の研究となる。

 戦後すぐから1995年までの時期について、要素2の意味での終身雇用の実態と変化を、戦後常雇の初職についた男性雇用者について分析した。1995年以後日本経済の悪化が顕著になり、雇用のありかたも大きく変化していると考えられるが、それ以前の戦後の混乱期から高度成長期を経て安定成長期やバブルとその崩壊の時代に至るまでの間に、終身雇用についてどのような変化があったのかを確認しておくことも重要である。






終身雇用「支持」78%、安定志向を反映 独立法人調査(朝日新聞、2005年04月11日)

 終身雇用や年功序列賃金という日本型の雇用慣行を支持する人の割合が高まっていることが、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が昨年8〜9月に実施したアンケートでわかった。終身雇用の支持率は78%、年功序列の支持率は66.7%と、99年に調査を始めてから過去最高に。正社員から派遣社員への切り替えを強めたり、成果主義を進めたりする企業の動きに対し、労働者が警戒感を抱き、安定志向を強めている現状が浮き彫りになった形だ。

 終身雇用の支持率は「良い」「どちらかといえば良い」と答えた人の合計。今回の78%は、01年に調査した前回に比べて1.8ポイント、99年の第1回調査に比べると5.7ポイント増えた。年齢別で前回に比べて伸びが目立ったのは、男性の40代(7.7ポイント増の78.7%)と女性の30代(5.1ポイント増の77.4%)。

 年功序列についての支持率66.7%は、前回に比べて4.4ポイント増えた。男性で伸び率が目立ったのは50代で同9.7ポイント増の68.9%、女性では30代で同9.1ポイント増の64.5%。

 同機構は「子育て世代を中心に安定志向が強く出た」とみる。

 だが、就社意識が乏しく、能力主義を志向するとされる若い世代でも、日本型の雇用慣行を見直す考え方が広がっている。終身雇用について20代では男性が前回比5.8ポイント増の64.2%が支持した。女性は66.4%と同2.3ポイント減ったものの高支持率になった。年功序列についても、20代男性の支持者が同4・1ポイント増の51.5%、女性が同1ポイント増の60.6%になった。

 今回の調査では希望する働き方についても聞いた。現在正社員の人の97.7%、非正社員の68.8%が、「正社員で働きたい」と答えている。厚生労働省によると、5人以上を雇う全事業所のうち、パート労働者の占める割合は03年度は23%で、99年度より約4ポイント上昇している。

 調査は今回で4回目。正社員や派遣、パートなどの形態で働く20歳以上の男女4千人を対象に実施。面接で2729人から回答を得た。






2007-10-18 (木) 23:21:14 (3656d)