状態依存的ガバナンス

「状態依存的ガバナンス」についてのメモ。状態依存的ガバナンスとは…
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contingent governance 状態依存的ガバナンス

状態依存的ガバナンス †

「状態依存的ガバナンスとは、企業の財務状態が健全であるかぎり、企業のコントロール権は従業員の内部ヒエラルキーをへて昇進・選抜された経営者(インサイダー)に完全に委ねられているが、企業の財務状態が悪化した場合、そしてそういう場合にのみ、内部者から「特定」の外部者、すなわちメインバンクへ、コントロール権が自動的に移行する、そういうことが当事者のあいだで前もって了解されているようなガバナンス構造がある。」

青木昌彦『経済システムの進化と多元性』21ページ
  • 状態依存的ガバナンスでは、内部者と外部者の間のコントロール権の移転が企業の財務状態にのみ依存し、また「誰が」企業財務の悪化した状態でコントロール権を掌握するかについても、前もって当事者の間で明確に了解されている。
    • cf. アングロ・アメリカン型のコーポレートガバナンス…経営不振がもっぱら最高経営責任者の個人的責任問題に帰せられる。取締役会が他の内部者を最高経営責任者として新たに選抜することもあれば、あるいは「不特定」の外部者がテーク・オーバー・ビッドを仕掛けることもある。また、財務状態が健全であっても、外部取締役が経営についてかなりの権限を発揮する場合もまれではない。
  • メインバンクは、企業のコントロール権を掌握した場合、2つの選択肢がある。
  • 一つは救済、他は清算。企業の財務状態の深刻度やその将来の回復の見通しに依存する。

こうした二段階の状態依存的構造がチーム的組織のインセンティブ問題をコントロールするうえで最適のメカニズムであることを、最近の契約理論と補完性分析に依拠しながら明らかに。

  • 企業の解散・清算などといった最悪事態において職を失う従業員の再雇用価値が低くなればなるほど、つまり、他企業も長期雇用慣行を有していて、従業員の外部オプションが限られていればいるほど、状態依存的ガバナンスのインセンティブ効果は高まる。
  • そういう意味で、メインバンク制度と長期雇用慣行は、情報共有型の組織の生産性を相互強化する、補完的な制度体系をなしている。





2007-03-10 (土) 21:43:01 (4579d)