経済学書。イギリスの経済学者マルサス著。1798年刊。人口の自然増加は幾何級数的であるのに対し、生活に必要な物資は算術級数的にしか増加しないから、過剰人口による貧困の増大は避けられないという人口法則を立て、ゴドウィンらの社会主義思想を批判した。
トーマス・マルサスが1798年出版した「人口論」は当時、欧州の知識人社会を衝撃に追いこんだ。マルサスは簡潔な論理で、「人口数が国力であると同時に幸福の尺度」と思っていた欧州知識人たちの常識を根こそぎ覆した。マルサスの予言は爆発的な人口増加のため、大災いを避けられないという暗鬱な内容だった。
という論理の前に、大半の楽観論者は白旗を挙げざるを得なかった。