人民元

「人民元」についてのメモ。人民元とは…
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人民元 †

  • 94年1月に旧関税貿易一般協定(ガット=現世界貿易機関)加盟をにらみ、国内向けと外国人向けの二重通貨制を解消し、対ドルレートを実勢に合わせて5・8元から8・7元に切り下げ、固定相場制を緩和。97年のアジア通貨危機後は相場の変動幅を前日の基準値から上下0・3%以内とし、対ドルレートは事実上、固定されてきた。最近は切り上げ圧力が強まっていたが、中国人民銀行がドル買い・元売り介入を常に実施し、1ドル=8・28元程度に保たれていた。

毎日新聞 2005年7月22日 東京朝刊

中国は1994年1月、貿易赤字対策と旧関税貿易一般協定(ガット=現世界貿易機関)への加盟交渉のため、公定相場と外貨調整センターの相場を一本化し「管理された変動相場制」に移行。元相場を1ドル=5.8元から8.7元に切り下げた。市場での1日の取引の加重平均を基に中国人民銀行(中央銀行)が主要外貨の翌日の基準値を公表、米ドルは基準値から上下0.3%の範囲内で取引できる。アジア通貨危機を受けて98年以降は8.277−8.280元前後で事実上ドルに固定。2001年1月には基準値が現行制度で最高の8.2762元まで上昇したが、最近は8.2765元で推移してきた。(共同)

「人民元切り上げ? 暮らしは…」(東京新聞・特報2005/06/09)から抜粋

  • 百円ショップにとどまらず、今や身の回りには中国製商品が満ちている。例えば、食料品の対中依存は全体では4・7%にすぎないが、ニンニクや生姜(しょうが)の六割以上は中国産、輸入緑茶の94%は中国から。繊維製品は75%、家具の46%も中国製だ(〇四年度の財務省「貿易統計」より)。
  • 第一生命経済研究所の熊野英生主任研究員は、人民元が10%切り上げられた場合、家計は月五百五十七円の支出増と試算する。額はそれほどでもないが「野菜の冷凍食品では中国産の比重が大きく、心理的な圧迫は見過ごせない」と言う。
  • 人民元の切り上げは昨年来、米国が圧力を加速しており、スノー財務長官は先月十七日、報復措置をちらつかせながら「十一月初めまでの実施」を迫った。米国の要求の根拠は、対中貿易赤字の削減につながるということだ。
  • もっとも、米国の対中貿易赤字削減につながるかどうかについて、専門家は一様に否定的だ。日中経済協会の藤原弘調査部長は「中国に生産拠点を持つ台湾、韓国、日本の企業からの対米輸出も統計上は『対中』でくくられる。米国企業も中国進出しており、米国企業に与えるマイナスも小さくないのでは」と言う。
  • 熊野氏も、グローバル化を無視して二国間貿易でくくるのは過去の遺物とした上で「世界の生産拠点としての中国、世界の消費市場としての米国ととらえるべきだ。米国のいら立ちはむしろ、対中輸出が伸びない点にある。中国の購買力を高めなくてはならないが、急激な人民元切り上げによる成長率鈍化は逆効果。緩やかで段階的な切り上げが望ましい」と注文する。
  • 中国で生産、世界に輸出する繊維業界、日本向けに現地生産した部品を送る中小企業などは、切り上げに困惑を隠せない。こうした中、中国からインド、ベトナムに生産拠点を移す機運もみられるが、張氏は「労働力が安い中国という見方は単純すぎる。中国の製造業は、資本、技術集約型に移行しつつある。十年前、台湾が(中国外に)生産拠点を移そうとしたが、結果的にその比重は六倍に伸びた」と指摘する。
  • 一方、原材料を中国に持ち込み、中国を販売市場とする自動車、建設機械業界などは歓迎している。市場としての中国だ。「全体として日本の中国向け輸出は確実に増える。現地生産ラインや部品に占める日本製品の需要が高い」と張氏。
  • 「反日デモも、経済の実体ベースへの影響はなかった」(藤原氏)というように、経済の日中一体化が進んでいる。熊野氏は「WIN−WIN(双方が勝つ)ゲームが経済関係の基本」と強調する。「中国を単なる労働力市場ではなく、消費市場とみれば、その成長率との整合を図らなくてならない。中国に外需をてこに内需を押し上げる構造を定着させること。それが最終的に両国の利益になる」

■現状、対ドル実質固定

 人民元は管理変動相場制で、変動幅は前日比上下0・3%以内とされているが、ドル買い介入で1ドル=8・277元にほぼ固定、事実上、ドルと連動してきた。巨額の対中貿易赤字を抱える米国には「中国は元安を維持しアンフェアだ」との批判が強く、議会では中国を対象にした通商や為替に関する法案が提出されている。一方、中国は大量の資金流入、景気過熱による物価上昇が懸念され、政府は外資導入、輸出競争力への影響などを考慮しつつ、為替制度改革には前向き。先進各国のような変動相場制への移行措置としては(1)変動幅をしだいに拡大する(2)ドルなど複数の通貨を一定の比率で束ねて計算した指標に連動させる(通貨バスケット制)−などが検討されているという。






2007-03-10 (土) 21:43:25 (5430d)