制度的補完性

「制度的補完性」についてのメモ。制度的補完性とは…
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制度的補完性 †

  • 一方の制度の存在・機能が他方の制度をより強固なものにしている関係が見られる場合、それを「制度的補完性」と呼ぶ。
  • 経済システム内部の複数の制度間に存在する相互連関性をさす。ある制度が他の制度を支え合い、個々の制度の有効性が他の存在によって強化されている関係で、システム全体としての強さを生み出す。
  • たとえば、メーンバンク主導のコーポレート・ガバナンスと長期雇用慣行で企業特殊的な技能を企業内部で形成させるような人事管理にはそのような関係がある。

制度的補完性の生成*1 †

  • 戦略的補完性
    • 厳密な均衡にはないが、なんらかの技術選択が支配的戦略となっている場合、限定合理性を持った経済主体は、自分も同じ戦略を選択することが得と考える傾向がある。
    • なぜなら、企業に参加した際に戦略のミスマッチングが生ずると、組織のコーディネーションの効率性は失われ、当該主体にそのコストがかかってくる確立が高くなるため。
  • しかし、支配的戦略とは違った戦略を取ろうとする「異種」や「革新者」が闖入してくる可能性がある。
  • 現実世界において、戦略のマッチングをより低い計算・取引費用で実現するため、互いに補完性をもった戦略を「ルール」として強制するメカニズムが発生。
  • そうしたルールは、暗黙のうちに守られる慣習や道徳的規制という形態を取ることもあれば、法律的な強制力を持った明示的な制度という形態を取るということもあろう。
  • 制度の生成を進化ゲームにおける補完的戦略のルール化と見ることができる。複数均衡の存在に伴って、複数の制度体系の生成がありうる。
  • 生成の動因となった戦略的補完性に対応して、制度体系の各要素は互いが互いを強め合う性質を有するようになる(制度的補完性)。ゆえに、制度体系はいったん生成すると、環境変化に対して一定の頑健性を持つ。





2007-03-10 (土) 21:43:38 (3880d)