正義論

「正義論」についてのメモ。正義論とは…
HOME > 正義論

ロールズ『正義論』 †

  • 『正義論』の背景
    • 正義の問題の再検討へ向かわせた同時代的な政治的出来事として、1960年代の黒人を中心とした公民権運道の高まりやベトナム戦争の衝撃。
    • アカデミズム内部の独自の展開…功利主義思想、ゲーム理論、合理的選択理論の発展・精緻化
    • アングロ・サクソン圏におけるカント哲学の再発見と、ロールズによるその選択的受容。ロールズはカントの道徳哲学のなかから、特に自律の思想と、正義についての義務論的アプローチとを、自らの正義の理論の正当化のために巧みに採用している。
  • 『正義論』の目的
    • 過去二世紀にわたって英語圏で道徳理論として支配的だった直観主義功利主義に取って代わる、有効な正義の理論を樹立しようとする試みであり、それはロック、ルソー、およびカントに見出される社会契約論を一般化し、それをより高いレベルへ抽象化することによってえられる「公正」としての正義のニ原理とされる。
  1. それが複数の第一原理からなり、それらの原理が特定の場合には衝突して相反する命令を与えている。
  2. それがそれらの原理を相互に比較するための明示的な方法を含んでいない。
    • 結果として、直観主義は社会正義に関して、主観主義に陥るか、最悪の場合には懐疑主義に陥る。
    • この困難を克服するには、諸原理の間に客観的な優先順位を設定する必要がある。
  • 功利主義の欠陥
    • 個人に妥当する行為準則をそのまま社会全体に拡大するという欠点を持つ。たとえば、ある人が自分の目的を将来実現しようとして、それ以前のすべての期間をその実現のための手段として利用することは正しいと考えるように、功利主義は社会全体の善(幸福・効用)を極大化するためには、何人かのそれは犠牲にされても正しいと考える傾向がある。そのような社会正義観は、一人一人の「人間の独立別個の実存」を功利主義が真剣に考慮していないことの帰結である。
    • こうして、社会全体の効率を最大化するという観点から、たとえば少数者の権利が常に多数者の権利の前に犠牲にされたり、機会の配分や富の分配に際して、能力のある者が能力のない者よりも常に機会が恵まれたり、富める者がますます富み、貧しい者がますます貧しくなるという不平等が許容されてしまう。

次→






2007-03-10 (土) 21:43:57 (3764d)