生産性の政治

「生産性の政治」についてのメモ。生産性の政治とは…
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Maier / Politics of Productivity
生産の政治

生産性の政治 †

  • 社会的分岐や対立は、分配する財が乏しい状態で生ずる。したがって、より多くの財を生産し、豊かな社会を実現すれば、分配上の不公平はなくならないにせよ、すべての者が衣食住の基本ニーズを充足することが可能となる。その結果、社会的紛争は回避・緩和されるはずである。
  • このような「生産性の政治」の考えによれば、政治は直接分配に介入し階級的対立を煽る愚を避け、生産性向上に力を注ぐことが賢明となる。
  • 「生産性の政治」…戦時復興期のヨーロッパや日本において見られた生産性(向上)運動の思想的バックボーン。
  • マイアーによれば、「生産性の政治」というアイディアは、ニューディール期のアメリカにおいて、再配分政治に失敗した結果として生じた。
    • 再配分政策が激しい社会的階級間対立を引き起こし、実現不可能であったため、そのような争点を迂回し、基本的ニーズを社会に満遍なく提供する政策として「生産性の政治」が作り出された。
  • 戦後、アメリカによる自由貿易体制の追及は、単純な自由主義理念信仰や経済的拡張主義から生まれたのではなく,大恐慌後のニューデイール期に形成された「生産性の政治」という歴史的経験(遺産)に裏打ちされたものであった。
  • このように「生産性の政治」は,再分配という政治的争点を経済的合意によって置き換え,全国民の基本ニーズを満たそうというものであり,一定程度再分配政策の代替的機能を果たすものであった。経済のパイそのものを大きくするということは,再分配に先行する社会的保護の基本といえる。
  • 「生産性の政治」は経済成長を推進するとはいえ,自由主義経済と完全に調和的なものではない。たとえ生産性向上のためとはいえ,政府が政策的介入を行うことは,市場原則の侵害,より控えめにいっても原則の緩和であり,市場原理主義とは対立する。
  • とはいえ,市場経済がもたらす社会的緊張・対立を緩和し,自由主義経済を維持,正当化するに、そのような措置がとられているのであり,それは「埋め込まれた自由主義」を支える柱の一つであった。

ケインズ主義的福祉国家






2007-03-10 (土) 21:44:01 (3819d)