戦争論

「戦争論」についてのメモ。戦争論とは…
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戦争論 †

【噴水台】戦争の経済学
 プロイセンの将軍であり軍事理論家だったカール・フォン・クラウゼヴィッツは『戦争論』(Vom Kriege)で、戦争を「ほかの手段を利用した政治の延長」として定義付けた。対話を通じた外交がそれ以上通じなくなったとき、ほかの手段、すなわち暴力を動員した戦争が起きるというのだ。
 しかし、戦争が単に政治的な動機だけから起きるものではない。たとえば朝鮮戦争(1950〜1952)がイデオロギーによる戦争だったならば、中東戦争やインド−パキスタンの戦争は、やはり宗教戦争の性格が強い。

 これより規模が大きかった第1、2次世界大戦は、民族主義と産業化にともなう資源の確保、勢力均衡など政治・経済問題が複合的に働きぼっ発した。

 エール大のドナルド・ケイガン教授の『戦争と人間』では恐怖、利益追求、名誉欲を、戦争の3大原因に選んだが、特に、このごろは利益追求、すなわち経済問題が紛争の主要原因として登場している。現在、米国が準備している対イラク攻撃も、石油の確保という経済的な理由に向けたものというのが大方の見方だ。

 しかし、このように経済的な理由から進められる戦争が、米国はもちろん、全世界の経済にダメージを与えているのは、アイロニーと言わざるを得ない。

 このごろ、全世界の証券市場が連日して暴落し、原油価格が急騰しているのは、何よりも対イラク攻撃への懸念のためということに異論の余地がない。

 それなら、いざ戦争が起きればどうなるだろうか。多くの経済学者らは、経済に役立つと語る。戦争による特需などを話しているわけではない。

 不安心理が株価や原油価格にすでに十分反映されているゆえに、戦争が起きると早期解決への期待感が高まり、むしろ景気が回復するということだ。

 レーガン元大統領の経済諮問役だったローランス・カドロ氏のような経済学者は「対イラク攻撃が、ダウ指数を数千ポイント上昇させるはず」とまで話している。だから結局やるものならば早期にやろうということだ。

 こうしたジンゴイズム(戦争擁護論)の背景には、1991年湾岸戦争当時の「追憶」がある。イラクがクウェートを侵攻し、株価が17%も下落したが、1週間で戦争が終わると、24%も急騰したからだ。

 しかし、これらタカ派の経済学者らが見過ごした点がある。今回の戦争は、湾岸戦争のように短期間で終わるという保障がないという点だ。

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の首席研究員デビッド・ワイス氏は、戦争が長引き中東全域に拡散すれば、米国があれほど懸念する「ダブルディップ」、すなわちW字型の二重沈滞の局面を迎えるはずだと警告している。米国がダブルディップならば、韓国は「ダブルダブルディップ」となる。

 結局、選択は自明なのにもかかわらず、戦雲は次第に濃くなりつつある。






2007-03-10 (土) 21:44:23 (4906d)