strategic trade policy
伝統的貿易論では,比較優位に基づく国際分業と自由貿易がすべての国に利益をもたらすとする完全競争モデルが中心だった。
これに対して新しい貿易論「戦略的貿易論」は,規模の経済性,技術の外部性や寡占企業間の不完全競争の側面に注目する。
偶然生じた一時的優位が固定して分業パターンを決定する経路依存性により,補助金や技術開発,産業政策といった政府介入が利益の大ささ(レント)を左右する可能性がある。
問題は,現実の政策ではこれが保護主義に転化する可能性が高い点である。