民主制においては、より良き合意に向けての十分な討議が重視されているが、それでも意見の一致をみない場合は、多数決で結論を出すという原則がとられている。
個々人の主張に価値的な優劣はつけられないという前提に立ち、数的多数によって議論に決着をつけようという政治的技術。
従って、それに先立つ討論は、多数決原理の本質的過程として尊重されねばならない。
各人の価値観・主張に優劣はないという考えは、哲学的には「価値相対主義」と呼ばれるもの。H・ケルゼンらは、これが民主主義の論理的、倫理的基礎を与えるものだ、と説いた。今日の自由民主主義は、思想的にはこの価値相対主義と、自由主義に由来する基本的人権の保障の二つを核としている。