大正期

「大正期」についてのメモ。大正期とは…
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大正時代 †

第一次大戦後の好況 †

 日露戦争後,貿易収支の赤字に加え,戦費調達のために募った外国債の償還期限が来て巨額の利払いも重なり,国際収支の致命的な危機が訪れた。第一次世界大戦の勃発は,それを一気に吹き飛ばす役割を担った。例えば1914(大正3)年に11億円存在しか債務が,1920(大正9)年には27億円の債権になり,日本は債権国となった。大戦景気のため,各産業も活況を呈した。造船業は世界第三位となり,日本は海運国の仲間入りを果たした。そこでは,船成金が増えると共に,他方では物価騰貴が庶民の生活を苦しめた。 1918(大正7)年,富山県の漁村婦人の行動(女房一揆)を契機に,米騒動が全国に波及した。

金融恐慌 †

 第一次大戦終了と共に,ヨーロッパに復興の兆しが現われると,再び輸入超過になり,1920(大正9)年には,戦後恐慌が生じた。綿糸相場は通常の半値以下に下落し、生産農民の生活を直撃した。これに追い打ちをかけるように1923(大正12)年東京を襲った関東大震災は,日本経済に大きな打撃を与えた。 1927(昭和2)年になると,震災手形の処理の失敗、鈴木商店の倒産,渡辺銀行等の中小銀行の取付け騒ぎから,金融恐慌が生した。政友会の田中義一内閣は,モラトリアム(支払猶予令)と日本銀行からの融資でなんとかその場を切りぬけた。この危機に,産業分野では企業の集中,カルテル結成の動きが強まり,財閥はコンツェルン形態を採り,金融資本による産業支配が進んだ。

昭和時代前期〜第二次大戦終了まで †

金解禁と大恐慌 †

 昭和は暗い幕明けとなった。景気の停滞や金利低下など悪条件が重なっていた。過剰資本の対外輸出を望む銀行と景気回復を願う産業界の双方が期待したのは,金解禁であった。金解禁とは通貨と金の兌換を自由にし,国際間の金の移動を認めること,すなわち金本位への復帰を意味していた。

 昭和4年に成立した浜口雄幸内閣は金解禁を最重点政策の一つにあげ,財政緊縮論者井上準之助を蔵相に据えた。解禁の準備段階として,正貨の蓄積,通貨縮小を行ないながら,その一方で企業には対外競争力をつけるための合理化,低賃金政策を,国民には国産品消費の奨励を押付けた。このように,金解禁は資本主義の内部矛盾から生じた危機に一般国民を巻き込み,大きな犠牲を強いたのである。そしてようやく1930(昭和5)年1月11日,一部の反対(武藤山治,石橋湛山高橋亀吉,小汀利得らが反対)を押し切り,旧平価(100円=49.85ドルつまり1ドル=2円弱,これを旧平価という。それに対し,当時は100円=38ドル台の為替レートであり,これを新平価といった)で金解禁を行なったが,折からの大恐慌の影響で甚大な被害を蒙った。(なお,新平価論の主張は,ケインズの時論「チャーチル氏の経済的帰結」に基づき,イギリスの失敗の経験を踏まえたものであった。)

金輸出の再禁止 †

 1931(昭和6)年犬養内閣の成立と共に,高橋是清か蔵相に就任した。彼は,金輸出を停止し,次の三施策で経済の回復を狙った。

  1. 低為替(金輸出禁止の結果,為替レートは低下するが,自然に落ち羞く)
  2. 低金利(金利を下げて,企業の資金融資を容易にする)
  3. 財政支出の増加(軍事偏重の支出ではなく,農業救済を目指す公共土木事業中心の時局匡救貧の大幅増加)

 高橋財政の特色は積極財政であり,公憤発行により財源を賄うという点にあった(高橋理論はケインズのそれの先取りといわれ,彼の知恵袋,深井英五の影響が強いとみられている)。

統制経済 †

 1936(昭和11)年,の2 ・26事件は政党政治の終焉を告げ,それに替って軍部の勢力が一段と強まった。軍部の要求する軍拡予算に対し,広田弘毅内閣の馬場0(ばばえいいち…「えい」は「金+英」)蔵相は,高橋是清の堅持した軍備のための公債を削減する方針を捨て,公債増発と大増税へとその方針を転換した。これによって,軍拡への歯止めを失うことになったのである。軍部の要求の背後には,石原構想(関東軍参謀石原莞爾による「満州経済建設五か年計画」−軍備不足を工業力で補う構想)が存在した。これは近衛文麿内閣に受け継がれ,「重要産業五か年計画」へと拡充されるのである。これにより産業界は準戦時ともいえる状態となった。

 軍部による軍備強化のための臨時軍事費25億円の要求によって成立した1937(昭和12)年9月の臨時資金調整法等の三法は,経済の統制と計画化とを余儀なくさせた。企両院の成立と物詣計画は,その始まりであった。近衛内閣による国家総動員法(昭和13年),電力の国家管理などの施策は,国民を否応なく戦争に駆り立てると共に,軍事優先、生活物資生産抑制という形で国民に大きな苦難を強いたのである。






2008-06-11 (水) 11:36:20 (3305d)