通貨バスケット

「通貨バスケット」についてのメモ。通貨バスケットとは…
HOME > 通貨バスケット

バスケット・ペッグ制
通貨バスケット制度

通貨バスケット制 †

  • ドルやユーロ、円といった複数の主要通貨で構成する「バスケット(かご)」に自国通貨を連動させる制度。貿易など自国との関係の深さに応じて通貨ごとの比重を決めて、バスケットを作る。組み入れられた各通貨の強弱が相場の動きを相殺するため、ドルなど単一通貨に連動させるより為替相場は安定する。アジアでは、シンガポールなどが採用しており、ロシアも2005年2月、ドルとユーロを組み合わせた通貨バスケットを導入した。(毎日新聞2005年7月22日)
  • 例えば、バスケットの中身を円とドル半分ずつにすると、円が対ドルで10%下落しても、自国通貨はバスケットの構成比に連動するため、ドルに対する下落率は半分の5%となる。
  • アジア通貨危機を教訓に、日本はアジアの発展途上国の通貨を円、ドル、ユーロなどで構成するバスケットに連動させるよう提案している。




  • 現在世界で採用されている為替相場制度は大きく3つに分類できる。
    1. 外国為替市場の需給関係によって自由に為替相場が決定される自由変動為替相場制(フロート制)
    2. 通貨当局の管理の下,何らかの基準相場を中心とする一定幅の範囲内に変動が制限される管理変動為替相場制(管理フロート制)
    3. 通貨当局が為替市場介入によって為替相場を一定の水準に保つ固定為替相場制(ペッグ制)
  • さらに、固定為替相場制には,特定の一通貨に対して為替相場を固定するものと,複数の通貨によって構成されるバスケットに対して為替相場を固定するものとがあり,後者が「通貨バスケット制」あるいは「バスケット・ペッグ制」と呼ばれている。
  • 多くの国で変動為替相場制が採用されている現在,自国通貨の為替相場を特定の一通貨に対して固定すると,それ以外の通貨に対しては変動を許容することになる。仮に為替相場を固定する対象通貨国との経済関係が極めて大きいのであれば,自国通貨とその他通貨との為替相場の変動が自国経済に深刻な影響をもたらす可能性は小さい。
  • しかし,経済的つながりが強い国が複数存在する場合,特定の一通貨だけに為替相場を固定する方法は,その他の通貨との為替相場の変動が自国経済に甚大な影響を及ぼすリスクを内包する。この場合,むしろそれら強い経済的つながりを持つ国々との経済関係をそれぞれ適切に反映するような通貨バスケット制を採用することによって,他国通貨の為替相場変動の影響を極小化できるとの見方がある。
  • 具体的な方法には、自国通貨と複数の他国通貨との名目為替相場を一定の割合(例えば貿易比率)で加重平均して実効為替相場を算出し,それを安定化させる政策を取る。
  • 通貨バスケット制には次の方法がある。
    1. 計算した実効為替相場指数が一定の水準になるように任意の通貨で介入する運営方法
    2. 通貨Aをα単位,通貨Bをβ単位という具合に作り出された通貨の複合体(バスケット)に対する自国通貨の価値を一定に保つように市場介入する運営方法
    • 例としては,IMFSDRや1998年までEUで採用されていたECUがある。
  • 近年アジアでは,アジア通貨危機の経験から,実質的なドルペッグ制が持つ問題点に対する認識が深まったこともあって,通貨バスケット制を採用すべきとの意見が聞かれる。
  • もっとも,先進国主要通貨間の為替相場の変動は基本的に大きく,国際間の資本移動も巨大かつ不安定であることを勘案して,通貨バスケット制を選択する場合でも,為替バンド制などを併用した弾力的な制度運営を行うケースが見られる。

通貨バスケット制の問題点 †

  • 複雑性
    • 通貨バスケットの構成比を決定する基準とその算出方法が複雑であり,さらにバスケット構成通貨のすべてに対して市場介入するとすれば,その実施作業が複雑であり,実用性に疑問がある。
  • 非透明性
    • 通貨バスケットに対して自国通貨が固定されたとしても,個々の通貨と自国通貨との為替相場は変動するため,通貨バスケット制が完全に実施されているかどうかは,一般には判別しにくく,透明性が高い制度とは言えない。
  • なお,非透明性は投機筋よりの通貨アタックを防ぐために役立つとの見解も聞かれるが、政策運営の巧拙の問題ともいえ,見解の分かれるところ。





2008-05-31 (土) 21:24:58 (4131d)