◇「東アジア共同体」構想
米国、欧州に次ぐ第3の極として、東アジアの国々が参加する「東アジア共同体」構想を巡る議論が本格化したのは97年のアジア通貨危機から。すでにASEANという緩やかな地域連合はあるが、日本、中国、韓国を含んだより広域で相互依存度が強い国際的な枠組みが想定されている。04年のASEANプラス3首脳会議で今回の東アジアサミットの開催と共同体創設に向けた話し合いが決まった。
欧州連合(EU)の前身の欧州共同体に倣えば、域内の資本、労働力の自由化、通貨統合などを図り、外交や社会での共通政策へと広げることになる。ただ、参加国の枠組みや経済統合のあり方など、本質的な議論には至っていない。
毎日新聞 2005年12月14日 東京朝刊