同和問題

「同和問題」についてのメモ。同和問題とは…
HOME > 同和問題

同和問題 †

同和問題の歴史 †

  1. 近代以前
    • 「同和地区は,中世末期ないしは近世初期において,封建社会の政治的,経済的,社会的諸条件に規制せられ,一定地域に定着して居住することにより形成された集落である。……同和地区住民は最下級の賤しい身分として規定され,職業,住居,婚姻,交際,服装等にいたるまで社会生活のあらゆる面できびしい差別扱いをうけ,人間外のものとして,人格をふみにじられていたのである。」(同和対策審議会答申・同和問題の本質)
  2. 明治期
    • 「明治4年8月28日公布された太政官布告第61号により,同和地区住民は,いちおう制度上の身分差別から解放されたのである。……しかしながら,太政官布告は形式的な解法令にすぎなかった。それは単に蔑称を廃止し,身分と職業が平民なみにあつかわれることを宣明したにとどまり,現実の社会関係における実質的な解放を保障するものではなかった。……したがって,明治維新後の社会においても,差別の実態はほとんど変化がなく,同和地区住民は,封建時代とあまり変らない悲惨な状態のもとに絶望的な生活をつづけてきたのである。」(同和対策審議会答申・同和問題の本質)
  3. 大正期から敗戦まで
    • 「大正時代になって,米騒動が勃発した際,各地で多数の同和地区住民がそれに参加した。その後,全国水平社の自主的解放運動がおこり,それを契機にようやく同和問題の重要性が認識されるにいたった。……政府は国の予算に新しく地方改善費の名目による地区の環境改善を行うようになった。しかし,……同和地区住民はいぜんとして,差別の中の貧困の状態におかれてきた。」(同和対策審議会答申・同和問題の本質)
  4. 戦後の状況と同和対策審議会の設置
    • 戦後のいわゆる民主的改革にもかかわらず,同和問題は未解決のままでとり残された。
    • 1960(昭35)年政府に同和対策審議会(以下,「同対審」)が設置され,1965(昭40)年「同対審」は,内閣総理大臣に対して「同和地区に関する社会的及び経済的諸問題を解決するための基本的方策」を答申した(いわゆる「同対審答申」)。

同和対策審議会の答申とその後の同和行政 †

  1. 「同対審答申」
    • 1965(昭40)年に出された「同対審答申」は,同和問題を「人類普遍の原理である人間の自由と平等に関する問題であり,日本国憲法によって保障された基本的人権にかかわる課題であり」,「これを未解決に放置することは断じて許されないことであり,その早急な解決こそ国の責務であり,同時に国民的課題である」とし,同和問題の歴史や現状等に関する詳細な検討を行ったのち,「明確な同和対策の目標の下に関係制度の運用上の配慮と特別の措置を規定する内容を有する『特別措置法』を制定すること」などを求めた。
  2. 同和対策事業特別措置法
    • 「同対審答申」をもとに,1969(昭44)年同和対策事業特別措置法(以下,「同対法」)が制定された。
    • 「同対法」は,1条において
      • 「この法律は,すべての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのっとり,歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域について国及び地方公共団体が協力して行う同和対策事業の目標を明らかにするとともに,この目標を達成するた釧こ必要な特別の措置を講ずることにより,対象地域における経済力の培養,住民の生活の安定及び福祉の向上等に寄与することを目標とする」
    • 3条において
      • 「すべて国民は,同和対策事業の本旨を理解して,相互に基本的人権を尊重するとともに,同和対策事業の円滑な実施に協力するように努めなければならない」,
    • 4条において
      • 「国及び地方公共団体は,同和対策事業を迅速かつ計画的に推進するように努めなければならない」
    • と規定し,国民・国・地方公共団体の責務を明記した。
    • 「同対法」の制定は,「同和対策事業は,すべての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのっとって行われるものであり,これが迅速かつ計画的な推進は,国及び地方公共団体の責務であり,同時に緊要な国民的課題であ(り)…,このような課題に対処するため制定されるに至ったものであり,同和問題解決のための画期的な意義を有するものであ」った(政府通達「同和対策事業特別措置法の施行について」)。
  3. 「同対法」延長と地域改善対策特別措置法
    • 1969(昭44)年に制定された「同対法」は,1979(昭54)年3月31日までの10カ年の時限法として制定されたものであったが,予定された生活環境改善事業等が十分に実施されなかったことなどから,1982(昭57)年3月31日まで,3年間延長された。
    • 「同対法」による同和対策事業は,13年間実施されたが,さらに残事業が多数存在したことなどから,1982(昭57)年新たに地域改善対策特別措置法(以下,「地対法」)が,5カ年の時限法として制定された。「地対法」は,「同対法」による13年間にわたる成果を踏まえつつ,なお残された課題を解決するため制定された。
  4. 地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律
    • 「同対法」から「地対法」による18年間にわたる同和対策によって,「同対審答申」で指摘された同和地区の生活環境等は大きく改善されたが,一部に事業の取り組みが遅れている地域があることから,1987(昭62)年「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」(略称,「地対財特法」)が,5カ年の時限法として制定され,同法は,1992(平4)年対象となる事業を限定した上で,5年間延長された。





2008-03-13 (木) 04:26:12 (3565d)