売買論議
人類の歴史と脈をともにするという性売買への対応は、時代と社会によって少しずつ異なる。古代ギリシャとローマには、為政官に登録して税金を納める公娼をはじめとする、さまざまな性売買形態が存在した。 中世キリスト教時代には性売買が禁止された。
しかし実際には、税金まで納める公娼が存在するところは多かった。
十字軍の遠征時には、大規模な性売買女性部隊が組織されたりもした。
ルネサンス以降は性売買が盛んになり、17世紀のロンドンには5万人の性売買女性がいたといわれる。過去の中国と日本は「遊郭」という性売買地域を指定し、性売買を認めた。 朝鮮には官妓という公認された性売買制度があった。
20世紀に入ってほとんどの国家が性売買を法で禁止したが、性売買がなくなったという国は見当たらない。性売買に対する処罰が強力なイスラム国家でも、性売買の話が聞かれる。オランダとドイツはいっそのこと、性売買を合法化した。