比較制度分析とは何か

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比較制度分析とは何か †

  • 経済システムには理想的な、普遍的なモデルが一元的に存在しうるか?
  • それとも、他に比べて絶対的に優れたシステムなどというものは本来存在しないのであって、地球規模で多様なシステムの共存・競争することが、より大きな経済利益の源泉となりうるか?
  • そうした「多様性の経済利益」が論理的に可能であるならば、それぞれの国は、それに貢献し、それを活用する経済システムを実際に生成する能力を有しているのか?多様性の経済利益を実現しうる、さまざまな国民経済間の関係はどうあるべきか?
  • 比較制度分析」は多様性の経済利益の源泉とその存立条件を、経済学の中で蓄積され、広く世界の経済学者によって共有されている「普遍的」な分析言語によって、論理的に探ることを目的とする。
  • 新古典派経済学ワルラス的な完全競争モデルを最も効率的な経済システムとして理想化。
    • 市場が完備し、価格が需要と供給の差に応じて匿名的に調整されさえすれば、各経済主体間の競争的な行動が、最適な経済コーディネーションを自動的に達成する…と見る。
  • ワルラス均衡のモデルを現実に一番近似しているのがアメリカ経済(=アングロ・アメリカン・システム)。ゆえに、完全競争モデルの近似性ということが、アングロ・アメリカン・システムに、ある種の存在合理性と正当性を主張しうる根拠を賦与した。
  • しかし、他の経済システムに、このモデルを移植しようとする時、無理が生ずる(中欧や旧ソ連などの移行経済圏)。
  • というのも、アングロ・アメリカン・システムが無理なく生成していくには歴史的初期条件が存在することが必要。また、このシステムが新規参入に対して寛大であるが、まったく規制がないわけではない。固有の規制体系のもとで生成してきたシステム(グラス・スティーガル法や労働関係法)。こうした規制体系は、システムの他の要素とそれなりの内部整合性を持つ時に、システムの働きを助ける(制度の補完性
  • 歴史的初期条件の違いや、規制その他の制度の体系的整合性の要求のため、世界に併存するシステムの収斂、とくにワルラス・モデルへの一元的収斂は難しい。
  • 比較制度分析は、地球規模で多様なシステムの存在することの積極的多元的意味を積極的に認めていく。しかし、それぞれの経済を説明する独特の論理があるとは考えない。さまざまな経済を分析するために、一国の枠内でのみ通じる分析言語ではなく、経済学の中で蓄積され、世界の経済学者によって共有されている分析言語をもって行うことが望ましい。
  • 分析ツール…ゲーム理論契約理論情報の経済学など。
  • 多様な経済を統一的な方法で分析することにおいて、さまざまな経済の比較は、社会科学では不可能というわれる「実験」の代替という役割を果たしうる。
  • 多様な経済システムの比較は、実験サンプルを増やしていくようなものであり、比較制度分析はそうした実験によるテストにも耐えうるような、経済システムの一般的理解を目指す。
  • 合理性の限界と組織型の多型性→第2章
  • 進化ゲームと複数安定均衡の生成→第3章
  • 制度化と制度的補完性
  • 規制の制度的補完性
  • 市場移行経済との関連性
  • 多様性の利益はいかに実現されうるか





2007-03-10 (土) 21:47:43 (4657d)