封建制度を基盤として成立している社会。歴史的には古代の奴隷制社会と近代の資本主義社会との中間に位置する。
古代・中世・近代の三時代区分法において、古代社会の後に、土地の恩貸をめぐる人格的な主従・依存関係を基礎として生まれた中世の社会。
封建社会の成立(封建制と荘園制) †
世界史
- 西欧中世社会の最大の特徴は、荘園制を経済基盤とした封建制(レーエン制)。
- 封建制
- ローマ帝政末期の恩貸地制(ベネフィキウム)とゲルマン起源の従士制度、ケルトの家臣制度が融合し、カロリング朝時代に成立したとされる。この封建制は、国王と、国王から封土(レーエン)を与えられて領内の農奴への人格的支配を行った領主とにより構成された主従関係を軸とする身分的階層制。領主は、封土内の荘園を農奴に耕作させるのであるが、この領主と農奴の隷属的支配被支配の関係を農奴制という。農奴制は、ローマ帝政末期に大土地所有者がコロヌスに土地を貸与し、地代や労役を課したコロヌス制に由来している。
中世の封建王政下の王権は弱かった。国王もまた領主の一人にしか過ぎず、ただその領土が他の領主より広大であるというだけで、軍事的には領主の家臣団を頼っていたし、財政的にも領主からの上納金に支えられていた。領主は、その領内で行政、司法、課税の権限を有していた(不輸不入権:インムニテート)。
荘園に対する王権の介入を排除するこの不輸不入権こそ、封建制(レーエン制)の特質。
荘園の構造
- 自給自足の閉鎖的自然経済が営まれる
- 三圃制に基づく共同耕作
農奴の義務
- 賦役(労働地代)=直営地の耕作
- 貢納(生産物地代)=農奴保有地からの年貢
- 人頭税、相続税、結婚税、死亡税など
- 経済外強制への服従 例)領主裁判権
- 教会への十分の-税納付