仏教史

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日本仏教史 †

  • 仏教受容
    • 日本の古代の仏教受容は,中央集権国家の構築と密接にかかわっている。日本の古代宗教(神道)の司であった物部氏との争いに打ち勝った聖徳太子・蘇我氏は,律令制度と仏教思想に基づいた国家統治を構想した。
  1. 聖徳太子(574年〜622年)
    • 推古天皇の摂政であった聖徳太子は,蘇我氏と協力しつつ中央集権体制の確立をめざす一方で,外来思想であった仏教に深い理解を示し(『三経義疏』),仏教精神をもって国家の政治を安定させようとした。憲法十七条には「篤く三宝を敬え」とあるが,三宝とは仏(仏陀)・法(真理・仏陀の数)・憎(修行者)をさす。
  2. 鎮護国家思想
    • 仏教の力をもって国家の安泰を得ようとする思想を鎮護国家思想という。奈良時代,とくに聖武天皇(在位724年〜749年)の時代に全国に国分寺国分尼寺が,奈良に東大寺大仏が建立された。この時代唐の鑑真が戒壇(憎としての資格を与える場所)を東大寺にもたらすことによって,国家による仏教政策は頂点に達した。
  3. 行基(668年〜749年)
    • 奈良時代の粘度憎(国家の許可なく憎を名乗る者)で,多くの社会事業を手がけた。仏教を国家が独占した時代に民衆の間に入り込み奉仕活動を続け,人々の尊敬を集めた。
  4. 密教
    • 奈良時代の仏教受容は国家の統治政策(鎮護国家)という側面が強かったのに対し,平安時代には国家の安泰だけでなく,私的個人の現世利益の求めに応じる新しい仏教がもたらされた。これらの仏教は奈良南都六宗を顕教とよぶのに対し,山岳での厳しい修行や加持祈祷を頻繁におこなうことから密教とよばれている。空海の真言宗(東密),最澄の天台宗(台密)がその代表。
  5. 空海(774年〜835年)
    • 中国の真言密教を学び,日本の真言宗の開祖となった。高野山金剛峰寺を建立。大如来への信仰に基づき,生きたまま仏となる即身成仏をめざした。書道に優れ,橘逸勢,嵯峨天皇とならんで三筆とよばれた。
  6. 最澄(767年〜882年)
    • 中国の天台宗を学び,法華経の精神こそ仏教の中核であるとした,比叡山延暦寺を開いた。その教えは源信の浄土教,法然の浄土宗,日蓮の法華教(日蓮宗)にも大きな影響を与えている。
  7. 浄土教
    • 末法思想の流行とともに,極楽浄土への救済をもとめる浄土信仰(浄土教)が広まった。
    1. 末法思想と浄土信仰
      • 末法思想とは,仏滅後千年の正法,次の千年の像法,一万年を末法とし,末法の時代には仏の力が及ばず,世界が乱れるという思想。およそ平安末期(11世紀中頃)が末法にあたる。末法では現世における救済の可能性が否定されるので,死後の極楽浄土への生まれ変わり(往生)を求める風潮が高まった。浄土信仰では,阿弥陀仏に帰依することによって往生が果たされるとされた。
    2. 空也(903年〜972年)
      • 諸国を遊行し,阿弥陀仏への帰依を説き,社会事業にも従事した。市聖とよばれる。空也の他に浄土教を説くものとして,「往生要集』(985年)を著した源信(942年〜1017年)が有名。

鎌倉新仏教 †

  • 鎌倉時代には,平安末の浄土信仰の流れをくむ浄土宗・浄土真宗・時宗と,中国の宋・明代に発達した禅宗を基礎にした臨済宗・曹洞宗,さらに独白の戦闘的な教えを生み出した日蓮宗が誕生する。これら新しい仏教教派は鎌倉新仏教とよばれている。
  1. 浄土信仰の系譜
    • 平安末の浄上牧の影響を受けた宗派。阿弥陀仏の本願に頼り,その力によって救済されようとする他力を唱える。法然・親鸞・一遍らが有名。
    1. 法然(1133年〜1212年)
      • 浄土宗の開祖。他の修行をいっさい放棄し,阿弥陀仏を信じて(他力本願),ひたすら念仏する(南無阿弥陀仏と唱える)ことによってのみ極楽浄土に入ることができると教えた(専修念仏)。
    2. 親鸞(1173年〜1262年)
      • 法然の弟子で浄土真宗の開祖。他力本願・専修念仏の教えを徹底し、絶対他力の教えを説いた。また,自分が煩悩に支配された悪人であるという自覚をもつ者こそが,阿弥陀仏の救済の対象になるとした(悪人正機説)。
    3. 一遍(1239年−89年)
      • 念仏を唱えながら踊る踊り念仏をはじめ,時宗の開祖となった。
  2. 禅宗
    • 他力の立場に立つ浄土信仰の流れに対し,坐禅によって自力で悟りを得ようとする。また仏法の目的は悟りを開くことであり,浄土信仰が教える来世を否定した。日本の禅宗は栄西と道元によって開かれた。
    1. 栄西(1141年〜1215年)
      • 宋で禅(臨済禅)を学び,日本で臨済宗を開いた。公案とよばれる難問を弟子に与え,その間題を解くことによって悟りを開くことができるとした。また栄西は茶をもたらした人物でもある。臨済宗は鎌倉の上層武士階級に広く受け入れられた。
    2. 道元(1200年〜1253年)
      • 宋で曹洞宗を学び,ひたすら坐禅をくむ(只管打坐)ことによって,身心の執着を脱し,自力で悟りを開くべきだと教えた(身心脱落)。臨済宗とは異なり公案を用いつつも,坐禅そのものが悟りであるとした(修証一等)。また地方武士に信者を集めた。
  3. 戦闘的宗派・日蓮宗
    • 日蓮宗は日蓮(1222年−82年)によって開かれた宗派で,さまざまな仏典のなかで,法華経こそが正しい教えであるとし,その題目「南無妙法蓮華経」を唱えることで,即身成仏と立正安国がかなうとした。法華宗ともよばれる。他宗派に対する厳しい攻撃をおこなったことから迫害・攻撃の対象となった。





2007-03-10 (土) 21:48:15 (4654d)