- 擬古典主義
- 国粋主義を背景に江戸文学を模範としつつ,素材を写実的に扱う古典回帰傾向の文学。
- 尾崎紅葉『多情多恨』『金色夜叉』
- 幸田露伴『五重塔』
- 浪漫主義
- 自由で情熱あふれる感情の解放を主張する。
- 森鷗外『舞姫』
- 北村透谷『内部生命論』
- 泉鏡花『高野聖』『歌行燈』
- 国木田独歩『武蔵野』
- 樋ロ一葉『にごりえ』『たけくらべ』
- 自然主義
- 浪漫主義の自我尊重,個性尊重とゾライズムの観察的態度を継承。人間のあるがままの姿を描く。
- 島崎藤村『破戒』『夜明け前』
- 田山花袋『蒲団』『田舎教師』
- 余裕派・高踏派
- 漱石と鷗外の理知的で論理的な独自の文学世界。
- 森鴎外『雁』『阿部一族』『高瀬舟』『山椒太夫』
- 夏目漱石『三四郎』『それから』『門』『草枕』『明暗』
- 耽美派
- 官能的,享楽的,感覚的な美を追求する。
- 永井荷風『すみだ川』
- 谷崎潤一郎『刺青』『細雪』
- 白樺派
- 肯定的人間観,理想主義,人道主義的傾向が強い。
- 武者小路実篤『友情』『お目出たき人』
- 志賀直哉『城の崎にて』『暗夜行路』
- 有島武郎『或る女』『カインの末裔』
- 新思潮派
- 近代個人主義の立場から,現実を新しく解釈しようとした.
- 芥川龍之介『羅生門』『地獄変』『河童』
- 菊池寛『父帰る』
- プロレタリア文学
- マルクス主義の立場で,労働者の生活や思想を描いた。
- 小林多喜二『蟹工船』
- 新感覚派
- 敏感な感覚で対象をとらえ,表現の革命を目指した。
- 横光利一『日輪』
- 川端康成『伊豆の踊子』『雪国』
- 新興芸術派
- 反マルクス主義の立場で芸術の自立性を唱えた。
- 井伏鱒二『山椒魚』『黒い雨』
- 新心理主義
- 欧米の心理的現実主義の影響を受け,精神の内面を描出することで,現実に肉薄しようとする心理的リアリズムを主張。
- 堀辰雄『聖家族』『風立ちぬ』
- 無頼派
- 既成のモラルヘの反逆と現実への絶望とを,自己の自虐的な燃焼により描こうとした。
- 太宰治『人間失格』『斜陽』
- 戦後派
- 戦争の悲愴な体験を持つ世代が,敗戦後の社会の混乱と頽廃を投影し,新しい時代の文学を創造しようとした。
- 三島由紀夫『金閣寺』
- 安部公房『砂の女』
2007-03-10 (土) 21:48:19 (5552d)