防衛省

「防衛省」についてのメモ。防衛省とは…
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防衛省 †

防衛省昇格 †

日本の論点
2005.12.08 更新

 12月5日、与党幹事長・政調会長会談で自民党が防衛庁を省に昇格することを提案したのに対し、公明党は条件付きで合意した。これを受けて政府は、来年の通常国会に防衛省設置法案を提出する。今後、自衛隊の本来任務や省名などをつめる。これで防衛関係者の長年の懸案だった省への昇格が確実となったが、これまで軍備強化につながると警戒してきた一部の野党などの反応が注目される。

 防衛省昇格問題は、2002年12月、自民、公明、保守の3党連立のさいに、有事法制を整備したあとに最優先課題とすることで合意していた。しかし公明党は、支持母体である創価学会の意向もあって、慎重な姿勢をとり続けてきた。それが3年ぶりに一転して合意した背景には、さる9月の総選挙で自民党が大勝(296議席)するいっぽう、安保・防衛問題で現実的路線をとる前原・民主党が誕生するなど、政治環境が様変わりしたことがある。つまり、公明党の存在感が与党内で希薄になったため、抵抗から支持者を納得させる方向に公明党の方針を切り替えたといえる。

 公明党は、省への昇格の条件として、自衛隊の本来任務に、いまの自衛隊法では付随的任務と規定されている国連平和維持活動(PKO)や国際緊急援助隊活動を加えることを要求、省名については、「防衛国際平和省」や「防衛国際貢献省」を提案した。いっぽう自民党は、公明党が求めていた児童手当の給付対象を、現行の小学3年生までの児童を持つ世帯を6年生までに拡大し、所得制限を年収780万円から1000万円に引き上げることに合意した。福祉を優先する公明党の総選挙マニフェストに配慮したわけだ。

 では防衛庁が省に昇格するとどうなるのか。
 まず、文民統制の機能を高める立場から、いまは自衛隊の最高責任者(主任大臣)が総理大臣(首相)になっているのが、防衛庁長官(防衛大臣)に代わる。というのも、防衛庁は、防衛庁設置法では内閣府の外局に位置づけられ、主任大臣は、防衛庁長官でなく、内閣府の長である首相が務めてきたからだ。次に、予算の要求や法案の提出、幹部人事はこれまで内閣府を通じて閣議にかけていたのが、省になれば直接できるようになり、その分、事務手続きが簡素化される。だが、それ以上に「有事に敏速に対応でき、国の存立基盤に係わる自衛官の士気も上がる」という象徴的な効果が大きいと指摘する識者が多い。

 防衛省昇格に対しては、民主党の旧社会党系グループが強い反発を示しているのに対し、「国防省設置を早期に実現する議員連盟」(渡辺秀央会長)に参加する旧自由、旧民社系グループが歓迎、と対応が割れており、法案審議の過程で党内の亀裂が深まりそうだ。また、今回の合意に対し、公明党内では「カネ(児童手当)と平和(防衛省昇格)を取引したとのイメージを与える。拙速すぎる」との反発の声が出ており、自民党内でも「省名は防衛省でいい。譲歩して長い名前にする必要はない」との主張が出始め、実現までは、まだ曲折がありそうだ。






2007-03-10 (土) 21:48:47 (3911d)