Vote of Nonconfidence / Vote of Censure 問責決議
- 参議院において、政府の政治責任や個々の国務大臣の責任を問う決議の案件。
- 衆議院で内閣不信任案が出される場合、参議院で提出されることが多い。
- 不信任決議案の場合とは異なり、問責決議案の議決には憲法69条が規定するような法的効力はない。
- 2003年第156通常国会で、金融・経済財政政策の失敗で竹中平蔵金融・経済財政担当相、イラク復興特別措置法の採決を阻む目的で川口順子外相の問責決議案が野党4党によって提出されたが、自民・公明・保守新党の与党3党の反対で否決された。
- 首相や閣僚らの責任を明らかにするため主に野党が参院に提出する。
- 提案者のほか10人以上の賛同が要件で、提出されれば最優先で審議する慣例になっている。初期の警告決議案などを含め参院で首相に31回、閣僚に72回提出された。
- 法的拘束力はない。ただ政治的影響は無視できず、額賀氏は可決の1カ月後に辞任した。一方、衆院に提出する内閣への不信任決議案や信任決議案は憲法69条に基づく。
- 不信任決議が可決または信任決議案が否決された場合、10日以内の衆院解散がなければ総辞職しなければならない。
- 野党が参院で過半数を確保していた1998年10月、額賀福志郎・防衛庁長官(当時)に対する問責決議が野党の賛成多数で戦後初めて可決。1ヶ月後に辞職。
- 同じく、野党が参院で過半数を確保していた2008年6月、福田康夫首相への問責決議が賛成多数で可決している。首相への可決は初めて。
- 不信任決議案のように法的な拘束力がないために、存在意義がない?
- 問責決議が可決された場合、議会が「不適格」という意思を示したことになり、参議院の審議を拒否することが考えられ、政権運営への影響は大きい。
- 問責決議が可決されたの額賀防衛庁長官は当初、法的拘束力がないことを理由に辞任を拒んでいたのだが、参院で野党の審議拒否が続いて国会が停滞し、約1カ月後には辞任に追いこまれた。
- しかし、審議拒否が長引いた場合、野党が批判される立場ともなりえる。
提出年月 | 対象 | 結果 |
1998年10月 | 額賀福志郎防衛庁長官 | 可決 |
2001年3月 | 森喜朗首相 | 否決 |
2002年7月 | 小泉純一郎首相 | 否決 |
2006年12月 | 安倍晋三首相 | 未了 |
| 伊吹文明文科相 | 否決 |
2007年6月 | 安倍晋三首相 | 否決 |
| 柳沢伯夫厚労相 | 否決 |
2008年6月 | 福田康夫首相 | 可決 |