有閑階級の理論

「有閑階級の理論」についてのメモ。有閑階級の理論とは…
HOME > 有閑階級の理論

ヴェブレン > 有閑階級の理論

ヴェブレン『有閑階級の理論』 †

  • シカゴ大学時代、『ジャーナル・オブ・ポリティカル・エコノミー』誌の初代編集者として、同誌において、中心的思想を発表した。シカゴ時代の傑作の一つ『有閑階級の理論』(1899年)はそれらの論文をもとに書かれたものであった。
  • 『有閑階級の理論』にはヴェブレン体系全体を貫く中心思想があらわれている。生産的職業にたずさわる勤労階級と非生産的で金銭的職業にたずさわる有閑階級との対立、そして「産業」と「企業」との二分法による近代資本主義の把握である。
  • 副題「制度の進化に関する経済学的一研究」に示されるように、ヴェブレンは社会構造の進化を諸制度の自然淘汰の過程としてとらえる。ヴェブレンにとって、制度とは「個人と社会の特定の関係なり、特定の機能なりに関する支配的思考習慣」を意味するが、制度の環境変化に対する再調整は、有閑階級の妨害によってしばしば進みがたく、外部からの圧力をもってはじめて可能となる場合が多いと言う。
  • このような制度に関する進化論的把握は、「産業」と「企業」との二分法とともに、ヴェブレン体系の中核をなしている。
  • ヴェブレンによれば、「有閑階級」とは、政治、戦争、宗教、学問といった非生産的職業に従事する上層階級を意味し、この制度が最もよく発達したのは、封建時代のヨーロッパや日本などの野蛮文化の比較的高い段階である。

     「そのような国では、」

我々の社会は、我々自身の手によって、たえず作り変えられていく。ヴェブレンは社会を作り変える人々の行動原理になっているものが「製作者本能」と「競争心」であると考えた。製作者本能について、ヴェブレンは…

人間は有用性や効率性を高く評価し、不毛性、浪費すなわち無能さを低く評価する、という感
覚を持っている。この習性あるいは性向は製作者本能と呼ぶことができよう。生活の環境や伝統が能率をめぐって人と人とを比較するという習慣をもたらすようなところでは、製作者本能は、結局、人と人との間の競争的な、あるいは妬みを起こさせるような比較をもたらすことになる。

…と説明をする。

 製作者本能とは、人間生命の存続や増殖に役立つ活動を高く評価し、賞賛するような性向であり、人々の生活をより効率的にするために、産業における技術の発展をうながすものである。
 その結果として、人々の生きる環境を変化させる。つまり、人類は種の保存のために適応しなければならない環境を、自分たちの手によって次々と変化させている。また知的好奇心と競争心にしたがって、人々はひたすらに知識を蓄積していく。それらの知識は人々が認識する時に用いるフィルター、つまり思考の洋式を構成する。

 ヴェブレンの『有閑階級の理論』のもう一つの行動原理は「略奪」である。この「略奪」は時代ごとに形を変えて現れて、さまざまな制度を作り出すと考えた。製作者本能によって、技術革新が起こり社会が豊かになると、明日の生き残りを心配しなくてもよいような少数集団が誕生する。この集団が「有閑階級」である。

 有閑階級とは、生産労働をしなくてもよいが、その一方で、社会的に高級と見られるような仕事につくことが約束された階級である。有閑階級に属する人々は、自分が生きていくための糧を稼ぐような労働を蔑視し、戦争や政治、宗教といったことを仕事とする。

次:顕示的消費

ビジネスとインダストリー †






2008-07-13 (日) 12:27:14 (3747d)