緑の革命

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green revolution

緑の革命 †

  • 1960年代以降、高収量品種の米や小麦の導入によって発展途上国の食料生産が急増したことを言う。
  • この技術は、安定した灌漑状況で、多量の科学肥料を投じることによって単位面積当たりの収穫量を画期的に上昇させた。また、このような農業の技術革新に伴って、制度的・社会的な変化(農業の商業化の進展、地域格差の増大、農村の階層分離…など)が生じたことを含めて「緑の革命」と呼ぶこともある

農業の生産性向上を目的とし、穀物類の品種改良などの農業技術の革新と、発展途上国への導入の過程をいう。1960年代に入って、アメリカをはじめとする先進国の農業研究所で、トウモロコシ、小麦、イネなどの品種改良、とくに収穫量の多い改良品種の開発が進められた。なかでも、ロックフェラー、フォード両財団の援助で62年にフィリピンに設立された国際イネ研究所International Rice Research Institute(IRRI)では、66年にいわゆるミラクル・ライス(奇跡の米)とよばれるIR‐8が開発され、また、同じく両財団の援助で63年にメキシコに設立された国際トウモロコシ小麦改良センターCentro Internacional de Mejoramiento de Maiz y Trigo(CIMMYT)では、メキシコ小麦とよばれる多収穫品種が開発された。
 これらの新品種は、発展途上国における食糧不足を解消し、さらには食糧の増産による自給体制を確立することを目的に途上国に積極的に導入された。東南アジアにおいては、主としてIR‐8が導入された。この新品種は、収穫量を従来の品種の約2倍に増加することができるものであるが、大量の肥料や農薬の散布、灌漑{かんがい}設備や農機具の充実など、近代的農業技術の導入を前提とするものであり、多額の資本投下を必要とするものであった。そのため、新品種を導入できる農民や地域と、できないものとができ、農村内部の階層間、地域間の所得格差を拡大させた。また、化学肥料、農薬の大量投与による環境汚染や、新品種が短茎性で多肥料を必要とするため雨期のデルタ地帯に適さないという欠点も指摘された。
 このように、1960年代の中ごろから推進された緑の革命は、所期の目的を達成することができず、70年代以降、新品種を導入した国々の農業生産は、新品種導入の諸前提の不備に天候不順などの要因も加わって、停滞した状態のままである。






2008-06-07 (土) 10:25:59 (3364d)