EU憲法

「EU憲法」についてのメモ。EU憲法とは…
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EU憲法 †

 EUの基本法。各国憲法と異なり加盟国が批准する条約の形で欧州統合の理念を具体化、25カ国に拡大したEUの指針となる。EUの顔となる大統領や外相の新設、共通外交・安全保障政策の強化、閣僚理事会や欧州委員会の機構改革、欧州議会の権限強化などが盛り込まれている。2004年6月の首脳会議で採択され、07年初めごろの発効を目指す。発効には全加盟国の批准が必要。

 憲法を他国と共有する…日本では想定しにくい状況だ。EUと言えば、経済圏の「拡大」ばかりが注目される。しかし、より注視すべきは、政治統合による「深化」だ。

EU憲法 †

  • 2004年5月、EUは25カ国体制(拡大EU)へと移行したが、同6月、欧州連合(EU)首脳会議は、かねてジスカールデスタン元仏大統領が議長を務める欧州将来像協議会を中心にしてまとめられ、拡大EUの新しい基本条約となるEU憲法を採択した。憲法の発効には全加盟国の批准が必要だが、07年前後を目標とする批准がスムーズに進むかどうかはなお定かでない。とりわけ是非を国民投票に問うことを決めた英では反対意見が半数を超えている。
  • 採択されたEU憲法では、今後、任期2年半で1回に限り再選可の「欧州大統領(プレジデント)」と「欧州外相」(欧州委員会副委員長を兼務)のポストが新設され、いずれも首脳会議=欧州理事会が選任することになっている。また共通の外交政策と並んで、共通の安全保障政策を強化するために、欧州防衛庁を創設する。大統領は首脳会議の常任議長(従来は半年交代の議長国持ち回り制)となるほか、外交・安保などでEUを代表する。EUの最高意思決定機関は欧州理事会(加盟国首脳会議)で、その常任議長が欧州大統領であるが、EUの行政執行機関である欧州委員会委員長もプレジデントと呼ばれるので混同されかねない。
  • EUの基本的性格をめぐっては、将来の欧州を、仏・独が望むように「連合的国家」もしくは「連邦的国家」にするのか、あるいは英の主張のように、外交、安保、税金問題での主権移譲を拒否して「緩やかな国家連合」のままでいくのか、という対立が今回も解決を見ていない。

知恵蔵2005[西欧]分野

EU憲法のポイント †

  • 憲法には、EUの顔となる大統領や共通外交を担う外相ができるほか、スムーズで民主的な意思決定方法の導入も盛り込まれた。
  • 「大統領」の創設によって、EU各国による首脳会議を議長として仕切り、諸外国との首脳外交に臨む新たな欧州の“顔”が誕生する。EUの求心力と国際社会での発言力が一段と高まるのは間違いない。
  • 外交問題での各国間の利害調整を担う「外相」を設け、外交・安保で各国が歩調を合わせる努力をすることも明記された。欧州がただちに一枚岩になるわけではないが、将来的には共通の外交・安保政策を目指す方向が固まってきたといえる。
  • 意思決定の停滞を避けるための方策として、二重多数決方式を導入。加盟国数の55%以上が賛成し、かつ賛成国の人口の和がEU総人口の65%以上になった場合、決定できる。加盟国の規模を考慮した公平性に加え、小国の立場にも配慮した。
  • 新方式は、外交、国防、税制など一部を除いた広範な分野に適用される。各国の拒否権行使を限定し、政策決定の円滑化を促す。英国などが強く主張した拒否権も、税制、外交、安保などで条件つきで認められた。加盟国の主権維持とEUの一体化推進、共通政策との間のぎりぎりのバランスが図られた。
  • 国という単位を超え、複数の国民による民主主義を実現するように工夫されている。物事を決める時、もし1国1票であれば、大国ドイツも小国マルタも同等の権利を持つが、人口を考えれば8000万を超えるドイツ市民は約40万のマルタ市民の200分の1ほどの発言力しかないことになる。逆に、EU市民一人ひとりの平等を重んじれば、マルタはドイツの前では無に等しい。





2007-03-10 (土) 21:29:18 (3697d)